恋愛 片思い終了 小説一覧
1
件
1
五年間、私は支え続けた。
婚約者・永瀬誠司の会社を。彼のキャリアを。彼の家族との関係を。
全て、霧島冴という人間が、誰にも気づかれないまま動かしていた。
結婚式の当日、彼はその全てを知らないまま私を捨てた。
隣に立っていたのは、幼馴染の桐島菜々子。可憐に涙をこぼしながら、口元だけ笑っていた。
私は何も言わなかった。指輪を置いて、式場を出た。それだけだった。
困ったことになったのは、捨てた側だった。
翌朝から彼の会社は静かに傾き始め、義妹は社交界で孤立し、後ろ盾だった母親は足元を失った。
後悔した彼が扉を叩いても、もう開くことはない。
選ばれなかった女の、静かすぎる逆転劇。
文字数 16,866
最終更新日 2026.03.21
登録日 2026.03.20
1
件