青春 AIイラスト表紙/挿絵 小説一覧
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放課後のテニスコート。
打球音の合間に、将太はいつも、美術室の窓際に差す「光」を探してしまう。
そこにいるのは、キャンバスと向き合う二年生の間城先輩。
静謐な空気の中で筆を動かす彼女の姿は、テニスに明け暮れる将太にとって、眩しすぎるほどに鮮烈な憧れだった。
そんな将太の視線に、誰よりも早く気づいたのは菜奈だった。
プールで、真っ直ぐな「青」を切り裂いて泳ぐ彼女は、塩素の匂いに紛れるようにして、胸の奥に生じた小さな揺らぎをやり過ごす。
菜奈の実家の和菓子屋『三日月堂』で幼馴染と過ごす時間は、これまで通り、何も変わらないはずだった。
けれど、将太の瞳が「光」を追うたびに、菜奈の真っ直ぐな心には、名前のつかない波紋が広がっていく。
走り続けるテニスコートの熱と、静まりかえった美術室の色彩。
そして、プールの水底で揺れる、誰にも言えない想い。
それぞれの「好き」が、静かに、けれど確かに、動き始める。
文字数 186,325
最終更新日 2026.03.27
登録日 2026.01.25
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春。桜舞う季節――
私立・白百合女学院に入学した藤森あかねは、笑顔が“健康”や“幸せ”に良いと噂されるこの学園で、新しい生活への希望を胸に膨らませていた。
笑わせるのが得意な自分なら、きっとこの場所でも誰かを笑顔にできる。
そう思っていた彼女には、人には言えない、ひとつの“秘密”があった。
――それは、“くすぐり”が好きだということ。
笑顔を引き出す手段として、彼女が最も愛してやまないのは、くすぐることだった。
そして出会った、無表情で笑いの苦手なクラスメイト、柚木しおり。
無防備な素足。くすぐられたときのかすかな反応。
そのすべてに、あかねは心を奪われていく。
くすぐるたび、笑わせるたび、縮まっていくふたりの距離。
だがこの時のあかねはまだ知らなかった。
自分が“くすぐられる側”になった時、どんな顔をすることになるのか――
そして、無垢な笑顔の奥に隠された、しおりの「狙い」に触れることになるなんて。
文字数 43,492
最終更新日 2025.06.02
登録日 2025.06.02
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