キャラ文芸 九州 小説一覧

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【連作短編集】水柳藩野袴同心・先崎結ノ進の哀歓綴

『綺麗過ぎて怖い』と評されるほどの美貌だが、過去のある出来事で、赤子の時に負った胸の火傷痕を必死に隠して生きる、若き町廻り同心・先崎結ノ進。 童顔でお調子者の怠け者、けれど悪の追求には手を緩めない、相棒の柏木朔太郎。 江戸からやって来た謎の浪人・北 十左衛門。 九州の長閑な地方藩で起こる様々な事件。結ノ進達は人々の歓びや哀しみに触れることで仲間との絆を深め、成長していく。そして、江戸で客死したという父親の死の真相、自身の出自の謎にも迫っていく――。 *** ●第一話「百両の眠る川」【完結】 『伊吉を返して欲しければ、百両を橋から川に落とせ』 ある日、結ノ進の元に拐かし(誘拐)が起きたとの報せが届く。 薬種屋の息子・伊吉が百両の身代金を要求する文を残して連れ去られたのだ。 身代金の準備が進められる中、結ノ進は相棒の朔太郎や岡っ引きたちと共に探索を尽くすが、伊吉は見つからず、そこに奇妙な要求の書かれた第二の文が届き……。 新たな出会いを通して、結ノ進が辿り着いた拐かし事件の真相とは? ●第二話「ほんとうの人生」不定期更新中 ある日、結ノ進と朔太郎の元に、『頭を打ってから何も思い出せない』と訴える魚屋の男がやって来る。 大家から素性を聞かされても本人は納得していない様子。 結ノ進たちは男の過去を知る人物を見つけるが……。 男は一体何者なのか? 男の求める本当の人生とは? ※表紙イラストとアイコンは阿頼しおん様 (https://tsunagu.cloud/users/shion_maru1)の作品です。
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神の居る島〜逃げた女子大生は見えないものを信じない〜

月島一風(つきしまいちか)、ニ十歳、女子大生。 一か月ほど前から彼女のバイト先である喫茶店に、目を惹く男が足を運んでくるようになった。四十代半ばほどだと思われる彼は、大人の男性が読むファッション雑誌の“イケオジ”特集から抜け出してきたような風貌だ。そんな彼を意識しつつあった、ある日……。 「一風ちゃん、運命って信じる?」 彼はそう言って急激に距離をつめてきた。 男の名前は神々廻慈郎(ししばじろう)。彼は何故か、一風が捨てたはずの過去を知っていた。 「君は神の居る島で生まれ育ったんだろう?」 彼女の故郷、環音螺島(かんねらじま)、別名――神の居る島。 島民は、神を崇めている。怪異を恐れている。呪いを信じている。あやかしと共に在ると謳っている。島に住む人間は、目に見えない、フィクションのような世界に生きていた。 なんて不気味なのだろう。そんな島に生まれ、十五年も生きていたことが、一風はおぞましくて仕方がない。馬鹿げた祭事も、小学校で覚えさせられた祝詞も、環音螺島で身についた全てのものが、気持ち悪かった。 だから彼女は、過去を捨てて島を出た。そんな一風に、『探偵』を名乗った神々廻がある取引を持ち掛ける。 「閉鎖的な島に足を踏み入れるには、中の人間に招き入れてもらうのが一番なんだよ。僕をつれて行ってくれない? 渋くて格好いい、年上の婚約者として」 断ろうとした一風だが、続いた言葉に固まる。 「一緒に行ってくれるなら、君のお父さんの死の真相、教えてあげるよ」 ――二十歳の夏、月島一風は神の居る島に戻ることにした。 (第6回キャラ文芸大賞で奨励賞をいただきました。応援してくださった方、ありがとうございました!)
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