ライト文芸 追憶 小説一覧
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記憶を淹れる場所
その喫茶店『追憶堂』は、賑やかな駅前商店街の路地裏にひっそりと佇んでいる。
店主の男はいつも、煤けた銀色のサイフォンを愛おしそうに眺めていた。この店にはメニューがない。客が席に座ると、店主はただその表情を見て、その瞬間に最も必要な一杯を淹れる。
様子見ですね
評判が良ければ、願いが叶うコーヒー、恋が叶うコーヒーの話を続けたいと思っています。
文字数 5,647
最終更新日 2026.09.19
登録日 2026.09.19
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貉達の宴
六十代を迎え、派遣の家庭教師として細々と生計を立てている主人公。気分転換も兼ね、秩父の低山に登ることを思い立つ。
標高550メートルの山頂に立ったあと、舗装された林道を歩いて下山していた彼は、ふと雑木林にアナグマの姿を見つける。
斜面を慎重に下って近づくが、アナグマはすでにいなかった。仕方なく林道へ戻ろうと登り始めたとき、足を滑らせて穴に落ち、頭を打って気を失ってしまう。
目を覚ますと、そこは貉(むじな)たちの宴の場だった。貉とはアナグマのことである。
彼らは主人公に「見たい夢を見せてやろう」と告げ、主人公はそのまま眠りにつく。
再び目を覚ますと、彼はさっきの林道に立っていた。
気を取り直して下山を始めた彼は、若い女性登山者と出会う。彼女は、大学時代に付き合っていた恋人にそっくりだった。しかも彼女は、自分こそがその恋人だと言う。
訝しみながらも共に下山するふたりは、途中の無人小屋で休憩を取ることになる。
小屋の中で、ふたりは、会えなかった年月を埋めるように語り合い、そして、かつてのように抱き合った。
・・・数年後、山奥の空き家で白骨死体が発見される。
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文字数 45,565
最終更新日 2025.08.06
登録日 2025.08.05
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