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君がもう一度、描けるようになるまで
作業療法学科二年の朝倉湊は、学部横断の授業で、美術学科三年の橘玲央とペアになる。
無愛想で、何を考えているのか分からない玲央。
彼は八か月前の事故で利き手を負傷し、大好きだった絵を描くことをやめていた。
「もう一度、描けるようになればいい」
そう考えた湊は、手の動きや道具の使い方、できないことばかりに目を向ける。
けれど玲央から返ってきたのは、
「お前、俺じゃなくて手を見てる」
という言葉だった。
できないことではなく、その人が何をしたいのかを見る。
答えを与えるのではなく、本人が選ぶまで隣で待つ。
玲央を知ろうとするうちに、課題のためだった二人の時間は、放課後も、雨の日も、何でもない帰り道も続くようになっていく。
そしてある日、玲央が事故後初めて「描きたいから」と描いたのは、湊の笑った顔だった。
支えたいだけだと思っていた。
それなのに、玲央に見つめられるだけで胸が苦しい。
これは、絵を諦めた青年がもう一度“自分の線”を選ぶまでと、彼の手ばかり見ていた作業療法士の卵が、たった一人の「君」を見つけるまでの青春BL。
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文字数 5,368
最終更新日 2026.08.16
登録日 2026.08.15
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