作業療法 小説一覧

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君がもう一度、コートに立つまで

朝倉湊には、ずっと好きな人がいる。 同じ体育館で毎朝練習している、女子バスケットボール部のエース・水瀬青葉。 大学でもバスケを続ける。 そう迷いなく未来を語る彼女を、進路すら決められない湊はいつも眩しく見ていた。 ――あの日までは。 交通事故によって、青葉の利き手である右手に後遺症が残った。 箸が使えない。 髪を結べない。 ノートが取れない。 そして、大好きだったバスケットボールも以前のようにはできない。 「バスケができないなら、頑張る意味なんてない」 そんな青葉が病院で出会ったのは、「その手で、何がしたい?」と問いかける作業療法士だった。 髪を結ぶ。 制服を着る。 学校へ戻る。 友達と笑う。 もう一度、ボールに触れる。 失った日常を一つずつ取り戻していく青葉。 その隣にいるうちに、何者にもなれなかった湊にも、初めて目指したい未来が生まれていく。 夢を失った少女と、夢のなかった少年。 これは、もう一度元の自分に戻る物語ではない。 今の自分で、もう一度未来を選ぶための青春恋愛物語。
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君がもう一度、描けるようになるまで

作業療法学科二年の朝倉湊は、学部横断の授業で、美術学科三年の橘玲央とペアになる。 無愛想で、何を考えているのか分からない玲央。 彼は八か月前の事故で利き手を負傷し、大好きだった絵を描くことをやめていた。 「もう一度、描けるようになればいい」 そう考えた湊は、手の動きや道具の使い方、できないことばかりに目を向ける。 けれど玲央から返ってきたのは、 「お前、俺じゃなくて手を見てる」 という言葉だった。 できないことではなく、その人が何をしたいのかを見る。 答えを与えるのではなく、本人が選ぶまで隣で待つ。 玲央を知ろうとするうちに、課題のためだった二人の時間は、放課後も、雨の日も、何でもない帰り道も続くようになっていく。 そしてある日、玲央が事故後初めて「描きたいから」と描いたのは、湊の笑った顔だった。 支えたいだけだと思っていた。 それなのに、玲央に見つめられるだけで胸が苦しい。 これは、絵を諦めた青年がもう一度“自分の線”を選ぶまでと、彼の手ばかり見ていた作業療法士の卵が、たった一人の「君」を見つけるまでの青春BL。
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