じんわり泣ける 小説一覧

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何者にもなれなかった俺が、市役所の美人職員に釣られて参加した“大人の放課後”で、遅すぎる青春を始める

何者にもなれなかった俺が、市役所の美人職員に釣られて参加した“大人の放課後”で、遅すぎる青春を始める
高校は平凡。大学は、なんとなく入ったFラン大学。就職してからも、言われたことをこなすだけ。二十六歳の相沢晴人は、後輩が次々と評価されていく職場で、今日も自分だけが取り残されているような息苦しさを抱えていた。 そんなある日、駅前で見かけた一枚のチラシ。 『人生を変えてみませんか?』 胡散臭い言葉だと笑い飛ばそうとした晴人の目は、主催者欄に載っていた市役所職員・白石紗和の写真で止まる。落ち着いた笑顔の、信じられないほど綺麗な人。人生を変えたいわけではない。ただ、その人に会ってみたかった。それだけの理由で、晴人は市の生涯学習講座『大人の放課後再生講座』に申し込んでしまう。 集まっていたのは、夢を失った元野球部員、子育てに追われるシングルマザー、無口な元大学生、頑固な元大工、疲れた保育士、数字しか信じない市職員など、どこか不器用な大人たち。彼らは半年かけて、市民文化祭の企画を作ることになる。 最初はバラバラだった参加者たちが、街歩き、カフェ、体育祭、研修旅行、文化祭準備を通して、少しずつ互いの傷に触れていく。役立たずだと思われていた知識。邪魔だと言われてきた性格。誰にも必要とされなかった経験。それらが、場所を変えた瞬間、誰かを救う力に変わっていく。 だが、晴人が憧れた紗和は人妻だった。さらに彼女の娘・灯里は、母目当てで参加した晴人の浅ましさをあっさり見抜く。冷たい視線から始まった二人の距離は、講座の熱と涙の中で、少しずつ別の形へ変わっていく。 一方、紗和にも、誰にも言えない過去があった。なぜ彼女はこの講座を作ったのか。なぜ「頑張って」と言わないのか。なぜ人を変えようとせず、ただ隣に座ろうとするのか。 これは、何者にもなれなかった男が、遅すぎる青春の中で、自分を置き去りにしない生き方を見つける物語。
青春 連載中 長編
感想数 0 文字数 126,780 最終更新日 2026.06.14 登録日 2026.05.30
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黄泉路ごはん

黄泉路ごはん
誰かと食卓を囲む。 それだけで、人はきっと、少しだけ前を向ける。 【あらすじ】 事故で植物状態となり、この世とあの世の狭間に留め置かれることになった男子高校生・宗介。 家族はすでに三途の川を渡り、彼はひとり川の此岸に取り残されてしまった。 生きることも死ぬことも、自分では選べないその場所で。 空腹を感じても、自分のためだけに作る食事はどこまでも虚しく、味気ない。 家族に料理を振る舞うことが好きだった宗介にとって、もう「誰かのために作る料理」は存在しない──はずだった。 けれど、川を渡れずにいる亡者や、不器用な渡し守と関わるうちに、宗介はもう一度誰かのために料理を振る舞い始める。 特別なことじゃない。ただ一緒に食卓を囲むだけ。 その温もりが、誰かの背中をそっと押すこともある。 これは、生にも死にも進めない少年が〝誰かの明日〟を見送る物語。 そしていつか、自分の答えを見つけるまでの、ささやかな日々の記録。 ーーーーーーーーーーーーーー 【登場人物】 ■ 桜庭 宗介(さくらば そうすけ) 家族を事故で失い、一人だけ三途の川の此岸に取り残された高校生。面倒見がよく料理好き。 朔や亡者たちと関わっていく中で「今ここで出来ること」を模索し始める。 ■ 朔(さく) 幼い見た目の渡し守。 無口で不器用だが、他者を気遣う優しい性格。 宗介の料理を通じて「好き」という感情を学んでいく。 ■ 八尋(やひろ) 社交的で飄々とした性格の青年渡し守。 亡者に対してはややドライだが、朔や宗介のことは適度に気にかけ、必要な時には助言をくれる存在。 ーーーーーーーーーーーーーー ※連作短編のうちの一章を【短編】として『第9回ライト文芸大賞』に応募いたします。
ライト文芸 連載中 短編
感想数 0 文字数 47,273 最終更新日 2026.06.14 登録日 2026.04.10
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