夏になるたび、私は大切なものを失ってきた。
友達、恋人、そして——親友の命。
電車のホームで起きた、あまりにも突然の悲劇。
それから私は壊れていった。
声が聞こえる。誰かが囁く。
「お前が死ねばよかったのに」
と。
真里亜の香りと、声と、記憶が、私を締めつけて離さない。
もう何も失うものなんてないと思っていた。
なのに、最後に残っていた“たったひとつ”すら——私は。
これは、ひとりの少女が夏の終わりに失った「すべて」と、「戻らないもの」の物語。
文字数 7,308
最終更新日 2025.03.27
登録日 2025.03.27