第11回歴史・時代小説大賞

第11回歴史・時代小説大賞

選考概要

応募総数679作品と過去最高のエントリー数となった第11回歴史・時代小説大賞。ライト層でも入りやすい読み味の時代小説から本格的な歴史長編まで、例年に劣らず多種多様な作品が集まった。

一次選考を通過した23作品の中から検討を進め、編集部内で大賞候補としたのは、「田や沼に龍は潜む」「裏長屋のあやかし」「首斬り源八郎と奇縁の亀若丸 ~刻まれる高貴な血~」「天下算用 ~彦坂元正、地を喰らう~」の4作品。

いずれも個性を感じる意欲作ではあったものの、あと一歩決め手に欠け、残念ながら大賞の該当作をなしとし、それぞれの作品にテーマ別賞を授与した。そのうち2作品については、相応しいものがなかったことから、新設のテーマ別賞を授与することとした。
田沼意次の少年時代を巧みに描いた「田や沼に龍は潜む」を新設の『あの人物の知られざる異伝賞』に選出。また、江戸を舞台に個性的なあやかしを扱った「裏長屋のあやかし」をこちらも新設の『お江戸あやかし賞』に決定。首切りの門人である浪人が剣戟を交わす「首斬り源八郎と奇縁の亀若丸 ~刻まれる高貴な血~」を『痛快!エンタメ剣客賞』とした。さらに代官頭として徳川家康を支えた人物にスポットを当てた「天下算用 ~彦坂元正、地を喰らう~」に『あの時代の名脇役賞』を授与。その他、最終選考に残ったものの、惜しくも受賞に至らなかった作品を奨励賞とした。

「田や沼に龍は潜む」は、徳川家重に小姓として仕えることになった、少年時代の田沼意次を扱った作品。真っ直ぐな性格の田沼意次が、武家社会の不条理に挑んでいく姿が痛快であった。

「裏長屋のあやかし」は、長屋に住む戯作者が、江戸を揺るがすあやかし騒動に巻き込まれていくという作品。あやかしをはじめキャラクターがユニークで、独特の世界観に引き込まれた。

「首斬り源八郎と奇縁の亀若丸 ~刻まれる高貴な血~」は、首切り山田朝右衛門の弟子である主人公が、命を狙われている子どものために奮闘する物語。ライトな筆致に賛否あったが、剣戟の爽快感やテンポの良さが評価された。

「天下算用 ~彦坂元正、地を喰らう~」は、徳川家康に仕えた実在の武将、彦坂元正を主人公に据えた作品。算用の才を活かして徳川勢の裏方として活躍する、彦坂元正の独特な人物像が魅力的であった。

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応募総数 679作品 開催期間 2025年06月01日〜末日

なし


編集部より

ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。主人公おし乃の、実直で芯のある人柄がとても魅力的でした。複雑な人間模様が丁寧に描かれており、多くの読者の共感を呼んだのではないかと感じます。


編集部より

真面目で正義感の強い主人公の姿に魅せられる作品でした。王道の成長譚でありつつ、将来の妻であるヒロインとのひとときに微笑ましさや楽しさがあるなどキャラクター描写も巧みで、多面的な魅力を感じました。


編集部より

登場人物はいずれも個性豊かで、彼らの軽妙な掛け合いには思わず頬が緩みます。あやかしたちと力を合わせ、日の本の危機に立ち向かう壮大な物語は意外性の連続で、最後まで楽しく読み進めることができました。


編集部より

浪人の主人公が、出生に秘密を抱える子供とともに旅をする王道剣客ストーリーで、幅広い読者に楽しんでもらえる作品だと感じました。また、熱いモノローグや泣けるセリフの数々が光り、その熱量に心を掴まれました。


編集部より

歴史の裏方、彦坂元正に注目し、さらに算用や検地をテーマにする着眼点に、新鮮さと面白みを感じます。また、重厚な筆致を用いた堅実な物語運びで、歴史小説としての読みごたえも充分の作品となっていました。

※受賞作については大賞ランキングの最終順位を追記しております。

奨励賞

投票ユーザ当選者

投票総数 1,670票 当選 10名