「品揃え」の検索結果
全体で2件見つかりました。
2
件
夏樹幸平はどこにでもいるごくごく普通の高校生……そう、友人にものすごくハイスペックな人間がいることを除いては。
そのハイスペック人間の名前は嶋村和也、ごくごく平凡な名前を持つ文武両道で容姿も性格も非の打ち所がない完璧超人であり「天才に凡人は決して勝つことができない」ということを証明したくないがために毎度なんらかの形で勝負を挑んでいる。
かつて幸平が好きだった女子『美咲小鳥』はばっちり和也に対して恋愛感情を抱いており、そして彼女は和也にフラれてはアタックを繰り返している。
その事実も幸平を苛立たせており、毎度の勝負につながっていくのだった。
ある日、和也が行方不明になったという知らせがあり友人数人で彼を捜索するのだが幸平と小鳥、それから嶋村和也ファンクラブの飯田恵は共に行動して行きそうな場所を探るのだが幸平はヒントがありそうなゲームショップへと向かう。
そこは治安がいい場所とはとても言えないものの品揃えと値段はゲーマーである和也を満足させ、幸平も時折レトロゲームを買いに赴いていた場所だ。
幸平はそんな場所に女子を連れて行くこともあるまいと一人で店に向かおうとするも、少しでも可能性があるならと恵と小鳥は強引についてくる。
店内を見渡すも店員は一人もおらずどこか不気味な雰囲気が漂っており、地下へと向かうと『城戸桜』を名乗る不審な人物に異世界へと飛ばされてしまう。
幸平は異世界へと飛ばされる謎空間の中、和也が見慣れない格好でどこか遠くの場所へと去っていく不思議な光景を見る。
和也に向かって叫ぶ幸平、そんな幸平の声がする方向へ振り返る和也。
気付けば幸平たちは見慣れぬ景色が広がる世界、クリアスワールドの大地に転がっており目覚めて早々魔物に追いかけ回される。
魔物に追いかけられる幸平たちを救ったのはメルドニア王国筆頭騎士『ラングレイ・アルカストロフ』であった。
ラングレイに案内されメルドニア王国首都からやや離れたアルカストロフ領に連れて来られ、薄々勘づいていたが幸平たちは異世界にやってきてしまったことを嫌でも思い知るのだった……。
現状では元の世界へと戻る方法が無いというラングレイだが、落ち込む幸平に「騎士を目指してみないか」と声をかける。
騎士になればラングレイのように領地を持てるようになり大きな権力を持てるようになり、この世界のことを調べられるようになるからだという。
こうして幸平は一縷の望みを賭け、ラングレイの下で修行をすることになるのだった。
文字数 103,710
最終更新日 2023.07.30
登録日 2023.07.04
ジャズ.クラブ.スキャットとウヰスキークラブ.クレインは、夕暮れと共に扉が開くウヰスキーとジャズライブを楽しむことができるナイトクラブである。
スキャットはバーボン.ウヰスキー、クレインはスコッチ.ウヰスキーがメインの品揃えで知られている。
甲田亜樹子がオーナー.ママの、ジャズ.クラブ.スキャットには、絨毯張りのフロアに膝高さくらいのテーブルとスツールが並び、フロアの片隅に小高い、板張りのステージがある。
広くはないステージの左側にはアップライトピアノと、右側にはドラムセットが置かれている。
毎夜、プロミュージシャンがステージに上がり、ジャズと洋酒を嗜む大人たちは、心地よい雰囲気の中で至福の時を過ごしていた。
ウヰスキークラブ.クレインは、大人の男性客が多いスコッチウヰスキー専門の酒場である。
オーナーの鶴間慶彦は、若い日、海外に放浪の旅に出た。行き着いたのがイングランドの小さなスコッチウヰスキー醸造所だった、そこで学んだウヰスキーの知識と経験がある。
放浪の旅から帰国して大学を中退した慶彦は、職に就き、資金を貯めてスコッチウヰスキーの楽しめるクレイン(鶴)を開いた。
若い日にジャズシンガーを目指して東京のクラブでステージに出ていた甲田亜樹子も、ギター演奏に長けた鶴間慶彦も、音楽はもとより業界にも詳しいふたりだった。
精密機械メーカーでロボットを研究している宇都宮雅人は、叔母の知人である甲田亜樹子がママのスキャットを紹介されて出入りするようになる。
クレインの鶴間慶彦は、雅人が幼い頃からの、お守り役のよう存在で、雅人にとっては兄のようでもあり、人生の色々を教えてくれる先生でもある。
甲田亜樹子と鶴間慶彦の二人に関わりのある宇都宮雅人が、スキャットとクレインに出入りするプロミュージシャンや料理人。高校時代のブラスバンド部のOGだと云う女性グループ等と出会い、交友が始まる。
スキャットで友人となったひと達は、互いに心配事を分かちあい、問題を抱えている人には手を差し延べると共に、自分自身が救われることもあった。
ナイトクラブで生まれた人と人の交流が、人知れず秘めやかに吹く夜風のように、静かに流れ、広がっていく……。この街に吹く夜風は温かく、思い遣りに満ちていた……。
ブルー.ムーンはスキャットのママ亜樹子が好きな紫の花……、〈幸せの瞬間〉と云う花言葉を持つ香り豊かなバラの花。その花言葉と香りを、夜風がそっとナイトクラブに集うひと達の元へ運んで行った……。
…… 全15話……(一話が少し長いです。平均10,000文字)(固有名詞など、全てフィクションです。)
文字数 184,921
最終更新日 2024.03.15
登録日 2024.03.15
2
件