「ノウサギ」の検索結果
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山間の分校が廃校になり、山の村に住む六人のこども達は、山裾の本校に通っていた。
冬になり、大雪や雪崩の心配が予測されると、学校では早く授業を切り上げ、山間の雪道を通って帰るこども達を早退させる決まりになっていた。
初めて早退の決まった日のことだった。連絡もなく、真っ白な雪景色の中に真っ黒な青毛の馬に繋がれた馬橇(そり)が、校門の前に待機していた。
馬橇に腰かけて手綱を手にしていたのは、こども達の村の長老、源爺だった。
源爺と愛馬のクロ、雪の川原で助けたノウサギと六人のこども達との交流・・・。
源爺が病に倒れると、入れ代わるように、峠の向こうに住むという優しいおんなのひとが現れ、こども達を村に送り届ける役を引き受けた。
町の病院に源爺を見舞いに行ったこども達は、源爺がベッドの上で呟いた話を素直に聴いていた。村に戻ったこども達は、まっすぐ源爺の家の草っ原に向かった・・・。
1950年代、雪の多い山間を舞台に、老人と愛馬とこども達の心優しい交流の物語・・・。
文字数 6,729
最終更新日 2024.02.03
登録日 2024.02.03
鷹取日春(たかとりひはる)は世界的有名なミュージシャン、桑原幸人(くわばらゆきひと)の付き人として住み込みで働くことになる。
そこには美しい2人の姉妹がいた。桑原家は母がいないということを抜かせば、絵に描いたような上流階級の生活を送っていた。
誰が見てもうらやむ生活。裕福で幸福な家庭。成功者――。
しかし、その家族の裏には誰にも知られてはいない、運命のいたずらが隠されていた。
母の不在、不仲の姉妹、表面だけ取りつくろう父、そしてそれに翻弄される主人公。やがて襲い掛かる悲劇。
歪んだ人間関係がもたらす運命とは?
悲劇をもたらす元凶は一体何か?
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別のサイトで公開していたものに、大幅な加筆修正を加えたものになります。
文字数 44,241
最終更新日 2016.06.30
登録日 2016.02.02
都内某所。
東京の殺風景な街並みの中に佇む小さなオフィス。
そのオフィスロビー。
そこで働く人たちに混じって、数人の若者たちが屯している。
その若者たちにひとりの男が声を掛けた。
「営業課ってどこにある?」
その若者たちより数年、年季の入ったスーツを着た男性とそれに付き従う少しあどけない顔の青年が若者たちに声をかけた。
「経理課の西条さんじゃないですか。営業課はあっちのトビラ入ったすぐっすよ」
そう言って、ひとりの若者がオフィスの扉を指さした。
「サンキュー。今度、仕事がおわったら飲みにでも行こう」
そう言って、西条と呼ばれた男性はその扉をノックしたあと、「どうぞ」という声が聞こえ扉の中に入って行った。
そして、その扉に入った西条たちはポケットから何か紙のような物を取り出した。
「営業部本部長哀 川宏、横領、詐欺罪で逮捕状が出てます。ご同行をお願いします。社長にはすでに話はしております」
本部長と呼ばれた初老のメガネを掛けた細身の男性は突然のことのようで、拍子抜けした表情をしていた。
そして、その表情は意味を理解したのか段々と血の気を引く表情へと変わっていった。
捜査線上に浮かんだ会社。
その企業に潜入して、犯罪を取り締まる、彼ら検察庁捜査ZERO課、麻薬・詐欺潜入捜査官。
通称『黒イ眼ノウサギ』と言った。
文字数 841
最終更新日 2022.02.18
登録日 2022.02.18
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