「彼女はただの相談相手です」と私を信じなかった王子へ――宮廷薬師の私は辺境で生き直します。今さら毒殺未遂で呼び戻されても、もう遅いです
王宮薬師として第二王子の体調管理を任されていた伯爵令嬢セレナは、婚約者である王子のそばにいつもいる子爵令嬢ミリアに少しずつ居場所を奪われていく。
「彼女はただ相談に乗っているだけだ。君は考えすぎだよ」
そう言われるたびに、セレナは何度も言葉を飲み込んだ。けれど、薬の記録が乱れ、体調管理の指示まで軽んじられたその日、彼女は婚約解消を決意する。
王都を去ったセレナが向かったのは、薬師不足に苦しむ北辺の領地。厳しい冬を前に、彼女は薬師として人を救い、少しずつ自分の居場所を手に入れていく。ぶっきらぼうだが誠実な領主代行カイルもまた、セレナの強さと優しさを静かに見守っていた。
一方その頃、王都では第二王子が原因不明の衰弱に倒れ、毒殺未遂まで起きていた。王族特有の体質と薬歴を把握しているのは、かつて彼を支えていたセレナだけ。今さら王宮は彼女を呼び戻そうとするが、もうセレナは誰かの都合で戻る女ではない。
失ったあとでようやく気づいても、もう遅い。これは、捨てられた側だった薬師令嬢が、自分の足で幸せを選び直す恋の物語。
「彼女はただ相談に乗っているだけだ。君は考えすぎだよ」
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