お召し替え

樹海を五0メルデ程、分け入って進むと、ケンイチ達が「迷殻舟」と呼ぶ、紡錘形の遺跡が姿を現した。
ケンイチ達は、ここを棲家としていた。鈍色の外壁は、ハネトビカズラの蔦を這わせていたが、どんな鋭い矢も歯が立たなかった。
このような遺跡が、樹海には点在している。中は迷路のように入り組んでいて、ケンイチたちも、その全ての構造を理解している訳ではない。

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