感情のLTV~あなたが組織で黙ってきたのは弱さじゃない。感情にも投資対効果がある。~

『感情のLTV』
作品紹介文

 あなたが組織で黙ってきたのは、弱さじゃない。武器を知らなかっただけだ。

 56歳。複合企業グループ五代目。従業員三千二百名、年商八百億円。世界百二十四カ国に広がる国際青年経済団体の、世界会頭。
 それが俺の前世だ。
 葬儀に二千四百名が来た。本気で泣いた人間は、一人もいなかった。
 一万八千件の人脈を積み上げた男の末路が、それだった。機能に群がった人間は、機能が消えた瞬間に散る。五十六年かけて、俺はようやくそれを理解した——棺の中で。

 目が覚めると、インクの匂いがした。
 愛媛県日野瀬市。人口五万人。借金二千三百万円を抱えた、潰れかけの印刷会社の二代目。三十二歳。
 そしてもう一つ。地域の青年経済団体・YEAの日野瀬支部。会員わずか十名。「どうせこの街は終わってる」と諦めきった、敗者の吹き溜まり。
 支部を実質支配しているのは、正式な権限ゼロのOB・大坂誠一。六十二歳。協賛金を強要し、精神論を押しつけ、若い経営者たちの時間と気力を少しずつ奪っていく男だ。

 俺には、権力がない。資本もない。肩書きもない。
 あるのは三十二歳の印刷屋の体と、二千三百万円の借金と、五十六年分の記憶だけだ。
 だから今世は、別のやり方でやる。
 怒鳴り合わない。感情論も使わない。ただ——マーケティングの設計図で、全部動かす。

感情にも、投資対効果がある。

地方衰退都市×ビジネス無双×魂の再建。理不尽を「結果」で黙らせる、硬派な転生リビルド譚。

※この作品はカクヨムや他媒体にも掲載しています。
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