いつかまた ~ 坊ノ岬沖海戦の追憶 ~
昭和二十年、坊ノ岬沖。片道分の重油しか積まぬまま、戦艦大和は沖縄への特攻に出撃する。「幸運艦」と呼ばれながらも、失った僚艦たちの死を見届け続けてきた駆逐艦雪風は、生還なき戦いに大和を送り出すことができず涙する。それでも大和は静かに問う――「人は死んで何を残す」と。矢矧をはじめ護衛の艦たちが次々と盾となって散る中、大和もまた壮絶な最期を迎える。彼女が雪風に託したのは、未来へ生きて伝えるべき「名」だった。少女たちの姿を借りた艦(ふね)たちが、絶望の中でなお未来を信じて命を燃やす、鎮魂と再生の物語。
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