夢占
時は平安時代の終わり。
伊豆国の小豪族の家に生まれた四歳の夜叉王姫は、高熱に浮かされて、無数の人間の顔が蠢く闇の中、家族みんなが黄金の龍の背中に乗ってどこかへ向かう不思議な夢を見た。
目が覚めて、夢の話をすると、父は吉夢だと喜び、江ノ島神社に行って夢解きをした。
夢解きの内容は、夜叉王の一族が「七代に渡り権力を握り、国を動かす」というものだった。
父は、夜叉王の吉夢にちなんで新しい家紋を「三鱗」とし、家中の者に披露した。
ほどなくして、夜叉王の家族は、夢解きのとおり、鎌倉時代に向けて、歴史の表舞台へと駆け上がる。
夜叉王自身は若くして、政略結婚により武蔵国の大豪族に嫁ぐことになったが、思わぬ幸せをそこで手に入れる。
しかし、運命の奔流は容赦なく彼女をのみこんでゆくのだった。
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