愛することはないと言われた花嫁ですが、夫の真実の愛を知りました

「あなたを愛することはない」
初夜、夫となった王子から告げられた冷酷な言葉。

公爵令嬢リュシアは、十年来の想い人だった年下の第三王子・ルシアンと政略結婚で結ばれた。
けれど王宮で待っていたのは、粗末な離宮と、彼の冷たい拒絶だった。

わたくしは、愛されていない。

絶望の中、リュシアは「離縁」を口にする。
するとルシアンは床に膝をつき、震える声で懇願した。
「リュシア姉様、捨てないでください」

その瞬間、リュシアは知る。
彼の冷たさは愛のなさではなく、彼女を守るための嘘だったのだと。

兄王子たちの腐敗、傀儡と化した国王、崩壊寸前の王国。
まだ成人すらしていない王子に、愛する妻を守る力はなかった。

「あなたと共に戦います」

リュシアは自ら囮となり、命懸けで証拠を掴む。
ルシアンは演説で民を動かし、ついに兄たちを断罪する。

そして、

「リュシア姉様、もう一度、ぼくと結婚してください」

形だけだった結婚式を、今度は真実の愛でやり直す。
これは、すれ違いから始まった夫婦が、試練を越えて真の絆を結ぶまでの物語。

※この物語には、女性の性的暴力に関する描写があります。
※小説家になろう、ノベルアップ+にも掲載しています。
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