魔力の降る地に、魔力を封じられた魔法剣士が捨てられました

 荒れ果てる荒野ランカントの果てには、人も動物も生きて行くことができない死の大地が広がっている。

 その不毛な土地に追放となった男がいた。それはこの国にこの男の右に出る程の使い手はいないと言わしめた程の魔法剣士シショールだ。国と仲間に裏切られ、男はひたすらに死の大地を彷徨って行く。シショールが死の淵に足を踏み入れたところで、眼前に広がったものは…見たこともないほどに豊かな地だった。

 その地に住まうのは妖精の如く美しい不思議な少女サザンカ。どうやら彼女は一人でこの地に住んでいるらしく、荒野を超えて来たシショールについては全く知らない様子であった。

 ボロボロに傷つき、人間不信となったシショールにサザンカは恐れる事もなく近づいて行く。



 捨てられた魔法剣士シショールと孤独な少女のお話です。
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