荷物持ちと追放されたので、帰り道は置いていきません
「お前は数に入らない」
五年間、荷物持ちをしてきたパーティーから、そう言われて追放されました。討伐数ゼロ。探索記録ゼロ。ええ、戦っておりませんから。
わたしがしていたのは、迷宮の床に「帰還座標」を刻む仕事。パーティーがいつも一瞬で地上に戻れたのは、二百十四箇所の座標のおかげ——皆は高価な「帰還石」の力だと思っていましたけど、あれ、ただの石ですのよ。
追放されたので、座標はわたしと一緒に失効します。
三週間後、彼らは第四十一階層で遭難しました。
そしてギルドが調べ始めたのです。「本当に到達していた階層」を、五年間、正確に記録していた手帳のことを。
五年間、荷物持ちをしてきたパーティーから、そう言われて追放されました。討伐数ゼロ。探索記録ゼロ。ええ、戦っておりませんから。
わたしがしていたのは、迷宮の床に「帰還座標」を刻む仕事。パーティーがいつも一瞬で地上に戻れたのは、二百十四箇所の座標のおかげ——皆は高価な「帰還石」の力だと思っていましたけど、あれ、ただの石ですのよ。
追放されたので、座標はわたしと一緒に失効します。
三週間後、彼らは第四十一階層で遭難しました。
そしてギルドが調べ始めたのです。「本当に到達していた階層」を、五年間、正確に記録していた手帳のことを。
12件
帰還石と思って買っていたものは、本当は何として売られていたのか。他の冒険者も同じことをやったのか。他の冒険者は帰りをどうしていたのか。そもそもギルドで毎日たくさん持ち帰るパーティーを今まで不思議に思わなかったのか。今回気付いたおばちゃん受付嬢が凄かったのか,他の職員の目が節穴だったのか。
ミュート中です
解除
『目に見えないものが大切』の典型ですね。なくなって初めて分かり、その時は致命的な状態に。人が目に見える成果だけお求める限りなくならないことなんでしょう。
ところで、斉藤めめめ様、毎日のように多作を並行して読ませてくださり、ありがとうございます。数の多さに収拾がつかなくなりそうですが、これからも楽しませてください。
ミュート中です
解除
12件
あなたにおすすめの小説
隠し階層を見つけたので、帰り道は作りません
『荷物持ちと追放されたので、帰り道は置いていきません』の続編です。前作未読でも読めます。
追放から一年。わたし、テッサは王立探索院の主任座標術師になりました。仕事は、新しく見つかった迷宮に、帰り道の座標を刻むこと。
その未踏区画の奥で、わたしは隠された泉を見つけてしまったのです。
泉のほとりには、わたあめのようにまんまるの、ふわふわの生き物たち。魔素を食べて、泉を澄ませて、迷宮の底を静かに保ちながら、誰にも知られず幸せに暮らしていました。
道が繋がれば、この子たちの家は終わります。
だからわたしは、五年間座標を刻み続けたこの手で、初めて「刻まない」ことを選びました。測量記録に空白を残したわたしを、規定と査問会が待っています。「すべての発見は登録せよ」と。
——地図に載らないことと、存在しないことは、まったく違う。
記録に救われたわたしが、今度は、記録しないことで守る番です
愛さないと言われた妻、侍女と出て行く
お前を愛することはないと夫に言われたコレットは、その日のうちに侍女のイネスと屋敷を出て行った。カクヨム様でも投稿しています。 5/14 その後の話を追加しました。
誰でもできる。そう、それで?
その才を見込まれて嫁いだアムネジアは、夫でモルド子爵のカッサータから離縁とクビを言い渡される。
「お前の仕事なんて誰でもできる」と言われ彼女は出て行った。
その後、カッサータはどうなったのか?
※小説家になろう・カクヨムでも公開しています
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
控えろと命じたのは王太子殿下ですので
王太子殿下に「控えろ」と命じられた公爵令嬢ミレイア。
ならばご命令どおりに、王太子妃教育も、政務補佐も、王宮文書局への出仕も、すべて控えさせていただきます。
彼女が王宮に行かなくなったその日から、これまで隠れていた綻びが少しずつ表に出始める。
「控えろと命じたのは、王太子殿下ですので」
断罪から十年、同窓会にようこそ~皆さまお変わりありまくりで、わたくしは元気ですわ~
王立学園の卒業パーティーで婚約破棄と断罪を受け、国を出た公爵令嬢オーレリア。
あれから十年。母校の創立記念祭に、一通の招待状が届く。
差出人は学園長。新設図書館の寄贈者として、彼女を主賓に迎えたいという。
――そう。隣国で商会を興した「オーレリア・ウィンズロー」は、いまや大陸で知らぬ者のない人。
会場には、あの日の顔ぶれが揃っていた。窓際で小さくなった元王子。事業に失敗した元取り巻きたち。
復讐? まさか。彼女は十年、忙しすぎましたの。
「皆さまのお顔……ええと、どちらさまでしたかしら」
忘れられていることこそ、最も静かで、最も完璧な決着。
これは復讐しない凱旋の物語。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。