姉の身代わりに嫁ぎましたが、旦那さまは最初から知っておいででした
「病弱で醜い」と噂される辺境の大公に、姉アデライードが嫁ぐのを嫌がり、妹のフロランティーヌが身代わりに嫁がされる。姉は「妹は顔だけ。心なんて誰も見ないわ」と嗤う。
嫁いでみれば、大公ヴィクトールは病弱でも醜くもなかった。ただ人嫌いで、噂を正すのが面倒で、放っておいただけ。そして初夜の前に、彼は言う。「身代わりだと知っている。姉君の顔は覚えていない。あなたの顔は、三年前の夜会から覚えている」。
フロランティーヌは言い返さない。ただ、辺境の屋敷で、使用人の名を覚え、夫の好みを覚え、身代わりなりに心を込めて暮らすだけ。
一方、王都では、姉が「妹を醜い大公に差し出した」ことを実家の手柄にして、大公の悪口を触れ回っていた。その言葉は、全部、王の耳に入る。大公は王に「妻の実家との縁を切る」と申し出る。実家は後ろ盾を失い、姉は自分の言葉で縁談を全て失う。
最後に姉が謝罪に来て、フロランティーヌは妹として、一度だけ、茶を出す。
「身代わりでしたら、身代わりなりに、心を込めますわ」
疎まれた長所が、正しく愛される場所で花開く。身代わり花嫁×結婚から始まる恋×自己肯定の令嬢ファンタジー、全8話。
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