龍は花姫の愛を乞う


「君は一体、何者なのだろうね?」
「私は私です。それ以上でもそれ以下でもない」

新東宮の即位に沸き立つ中、南雲燕は藤の宮ーーーー蘇芳と花姫行列を見ていた。
そこで自分の名前が南雲家の系図から消されたことを知らされる。叔母が庵主を務める尼寺で暮らすようになってから五年。一度も父親は顔を見せていない。それが答え、なのだ。

「私の生き方は私が決める。ただそれだけです」

誰にも、期待したりなんかしない。だって約束は果たされなかったのだから。期待したって虚しいだけだ。

そう。だから私はーーーーあなたが嫌い。


*カクヨム・なろうにも同じ話を投稿しています。
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