『タワマン破産〜年収1000万の俺がタワマンを買って自己破産するまで』

良い大学を出て、上場企業に就職し、綺麗な妻と結婚し、子ども二人に恵まれた。

誰もが羨む「人生の正解」を、俺はひとつずつ手に入れてきた。

順調だった。いや、完璧だったと言ってもいい。

ある日、妻がぽつりと呟いた。

「子どもたちに、ちゃんとした環境を用意してあげたいの」

その言葉に背中を押され、俺はタワーマンションの購入を決意した。

都心の再開発エリアにそびえ立つ、新築の制震タワー。
駅直結、徒歩0分。コンシェルジュ常駐、スカイラウンジ、ジム、パーティールーム完備。
そして何よりも、リビングから見下ろす景色は絶景だった。

価格は1億円――年収の10倍。だが、銀行は購入資金をポンと貸してくれた。

「年収1000万円の上場企業勤務」の肩書きがあれば、住宅ローンもクレジットカードも、すべてのドアが開かれる。

管理費は月3万円、修繕積立金は当初こそ1万5千円程度だったが、入居から数年で倍額に。
家計をじわじわと締めつけていく。

それでも、「まあ大丈夫だろう」と思っていた。

妻は子育てに専念してくれているし、俺が稼げばいい。
業績も好調で、ボーナスも毎年しっかり支給されていた。
……そう、「あの日までは」。

振り返れば、どの選択にも“理由”はあった。
無謀だったとは思っていない。むしろ、あの時点での判断としては“正しい”とさえ思っていた。

だが今、手元に残っているのは、
限界まで膨らんだ借金と、赤い封筒の督促状だけだ。

なぜ、あれほど堅実だったはずの自分が、ここまで転落してしまったのか。
なぜ、「正解」ばかりを選び続けた人生が、こんな結末になったのか。

この物語は
年収1000万円だった俺が、夢のタワーマンションを買い、
やがて自己破産するまでの記録である。
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