ミステリー短編集

《鍵のかかった教室》
 夕暮れの学校でノートを取りに戻った佐伯は、鍵のかかった教室で倒れた三浦を発見する。書きかけの「ごめ…」の紙片、割れたコップ、不可解な施錠。自殺ではないかもしれないという疑念が静かに膨らんでいく。

《あの夜は雪だった》
 雪の夜、主人公は怯える少女を家へ匿う。だが少女は家の過去を知り、古い鍵を持ち、主人公の“忘れた記憶”を示唆する。追跡者は足跡を残さず、少女は「あなたに殺された」と告げ、雪の闇へ消える。

《壁の向こうで》
 彼が突然死んだ朝、隣室は異様な静けさに沈んでいた。語り手は薄い壁越しに毎晩聞いていた彼の生活音を失い、世界が歪むような喪失感に包まれる。
 警察が出入りし、担架が運ばれていく音を聞きながらも、語り手は部屋を離れず、壁に残る“彼の気配”を探し続ける。
 隣にいただけの関係が永遠に途切れたとき、語り手は静寂だけを抱えて立ち尽くす。

《生クリーム事件》
 放課後、クラスメイトの靴に白いクリームが塗られる事件が起きる。
 学級委員の主人公は、その場にいた三人を集め、当日中の解決を宣言。証言や物理的状況を整理しながら、論理的に犯人を追い詰めていく。

 しかし浮かび上がったのは、最初に“甘い匂い”に気づいた語り手自身の不自然さ。

 やがて明かされるのは、犯人が主人公だったという真実。
「触れたい」という歪んだ衝動が生んだ、白い痕跡。

 事件は解決するが、関係は元に戻らない。
放課後の短い時間に起きた、静かな崩壊を描く叙述トリック・ミステリー。
24h.ポイント 285pt
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小説 4,492 位 / 220,773件 ミステリー 39 位 / 5,258件

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