十三夜の月
十三夜の月見の晩。仙吉の日除舟(ひよけぶね)は柳橋の桟橋に繋がれたままだ。かれこれ半刻(約一時間)も人を待っているのだ。仙吉には、その待ち人は来ないであろうと判っている。だがそれを屋形の内の侍にどう告げようかと思い悩んでいた。
あなたにおすすめの小説
西郷隆盛、討幕の決断‼️ 慶喜の悪行を阻止せよ‼️異国から日本の領土を守れ!
この小説は史実に基づく物語である。
薩摩の西郷隆盛と長州の桂小五郎の物語である。
時は幕末。
長州藩は朝敵として徳川慶喜率いる長州征伐に向けフランスの軍艦を借り長州に向かっていたのだ。
薩長同盟の前夜であった。
この物語の始まりです。
どうか、この小説を最後までお読みいただき、読者の皆様の何かのお役に立つことができれば幸いです。
蔵屋日唱
与兵衛長屋つれあい帖
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
おはな日記
【♪◆第12回歴史・時代小説大賞94位:ありがとうございました◆(^^)】
江戸の米問屋「穂積屋」に奉公へ出された十一歳の少女、おはな。
まだ字を覚えたばかりの彼女は、日々の中で心に残った出来事を、こっそり紙へ書きつけていく。
けれど、おはなはとても素直で、少し世間知らず。
旦那さまの見栄も、番頭のため息も、おかみさんの怖い笑顔も、手代の情けない失敗も、見たまま聞いたまま日記に残してしまう。
本人は大まじめ。
けれど大人が読めば、なぜだかおかしく、少しだけ胸があたたかくなる。
米俵の匂い、雨の店先、台所の湯気、人の嘘と情け。
小さな丁稚の目を通して、江戸の商家に暮らす人々の毎日を描く、笑いと人情の時代日記物語。
上司、快楽に沈むまで
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
【完結】『紅蓮の算盤〜天明飢饉、米問屋女房の戦い〜』
江戸、天明三年。未曽有の大飢饉が、大坂を地獄に変えた――。
飢え死にする民を嘲笑うかのように、権力と結託した悪徳商人は、米を買い占め私腹を肥やす。
大坂の米問屋「稲穂屋」の女房、お凛は、天才的な算術の才と、決して諦めない胆力を持つ女だった。
愛する夫と店を守るため、算盤を武器に立ち向かうが、悪徳商人の罠と権力の横暴により、稲穂屋は全てを失う。米蔵は空、夫は獄へ、裏切りにも遭い、お凛は絶望の淵へ。
だが、彼女は、立ち上がる!
人々の絆と夫からの希望を胸に、お凛は紅蓮の炎を宿した算盤を手に、たった一人で巨大な悪へ挑むことを決意する。
奪われた命綱を、踏みにじられた正義を、算盤で奪い返せ!
これは、絶望から奇跡を起こした、一人の女房の壮絶な歴史活劇!知略と勇気で巨悪を討つ、圧巻の大逆転ドラマ!
――今、紅蓮の算盤が、不正を断罪する鉄槌となる!