『無彩色のレクイエム ――絶対零度の寵愛と、虚無の共振――』
百年以上の果てしない戦乱が続く世界。人々は飢えと死の恐怖から、怒りや憎悪という「激しい感情」を剥き出しにして戦っていた。その地獄絵図の真ん中を、感情を持たない中性的な少女・暦(こよみ)は淡々と歩く。彼女が持つのは、見た者すべてを強制的に狂信させる、呪いのような特殊能力――『絶対零度の寵愛(アブソリュート・チャーム)』。どれほど巨大な愛憎を向けられても、暦の心が動くことはない。人間の感情など、彼女にとってはただの「不快なノイズ」でしかなかった。ある日、戦火で滅びた教会の跡地で、暦はもう一人の少女・ルリと出会う。息絶えた死体の真ん中で、怯えもせず泣きもしないルリ。彼女は、世界で唯一、暦の『魅力』が一切効かない――暦と同じ『空白』を持つ少女だった。「世界が、静かになったらいいのに」初めて見つけた理解者の手を握り、暦の心に(感情ではなく)明確な目的が生まれる。ルリの持つ、二人の『空白』を掛け合わせて戦闘力へと変える異能『虚無の共振』を武器に、二人は戦乱の世界へと突き進む。目指すのは、全人類の感情と欲望を凍結させた、絶対に争いの起きない「静寂の楽園」。感情のない二人の少女が、世界から『心』を奪い去る、美しくも残酷なダークファンタジー、開幕。
作者より
この作品はメリーバッドエンドとなっております。
地雷のかたはお気をつけください。
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