硝子の空を歩く

――これは、“わたし”という物語を探す少女の記録譚(クロニクル)

目覚めた世界は、記憶が書き換えられる場所だった。

名前も過去も失った少女「綴(つづり)」は、幻想の森で出会った青年・零に導かれ、
“記録”によって世界が成り立つ法則の中に投げ込まれる。

空に逆さまにそびえる塔、言葉の通じない都市、硝子の空、沈黙する海、夢だけでできた国――
彼女が歩む先には、誰にも書かれていない世界が広がっていた。

だが綴の手には、“未来の自分”から託された白紙の本がある。
それは、“わたしという物語”を取り戻すための唯一の鍵。

物語を綴るたびに、世界は書き換わる。
だが同時に、綴自身の存在もまた、言葉に飲み込まれていく。

書き記すことで世界を知り、
選び取ることで未来を変える――
それが「記録者」の宿命。

この物語は、「ただの少女」が世界を綴りながら、
“記憶”と“物語”の力に目覚めていく長編幻想譚。

その一文字が、世界の輪郭を変える。

そして最後に問われるのは、
「あなたは、誰の物語を綴りますか?
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