辺境の風は自由に吹く

辺境フェルノール領で育った伯爵令嬢リディア・フェルノール。
馬を駆け、剣を振るい、魔物から領民を守る――それが彼女にとって当たり前の日常だった。

だが十六歳になった彼女は、婚約者のいる王都の学園へ通うことになる。

「王都ではおとなしく淑女らしくしていろ」

そう言われ、自由を押し込めて“理想の婚約者”を演じるリディア。

久しぶりに再会した婚約者エドワードも、かつて一緒に野山を駆け回っていた少年ではなかった。

王都で“理想の貴公子”としてもてはやされるうちに、
彼は「女は控えめであるべき」という価値観に染まっていたのだ。

そしてついに告げられる婚約解消。

けれどリディアは、不思議なくらいあっさりそれを受け入れる。

――そんなある日、学園のピクニックで魔物が出現。

怯える生徒たちの中、
真っ先に剣を抜いたのは、“おとなしい令嬢”を演じていたリディアだった。

辺境仕込みの剣術で皆を守る彼女の姿に、
元婚約者は初めて、自分が失ったものに気づいていく。

さらにリディアは、
「女だから」と決めつけず、一人の人間として接してくれる子爵家次男ノアと出会い――。

これは、
“理想の淑女”になれなかった辺境令嬢が、
自分らしく自由に生きていく物語。


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