灰冠城の凡庸なる王~三百年待たれた王が、ただの会社員だった~
終電後のホームで倒れた会社員は、目覚めると石の部屋にいた。灰冠城の地下で三百年ぶりに「再構成」された、第二十四代灰冠王として。
城の臣下は誰もが、王の目覚めを三百年待っていた。「確認します」は深謀遠慮に聞こえ、「分からないので教えてください」は臣下の声を重んじる名君の証と受け取られる。魔法も剣も使えず、できるのは議事録と報連相だけ。それでも城の機構に問えば返ってくるのは「当該情報へのアクセス権限がありません」の一言で、なぜ自分が選ばれたのかさえ分からない。
臣下は信じる。王は戸惑う。それでも逃げずに答えようとする。王が積んだ小さな努力は、やがて本物の信頼になっていく。
帝国は王を狙い、聖教国は王を崇め、獣人の国からは妃が来る。力を持たない王が、国と世界の命運を会議と段取りで動かしていく。誤読から始まる、不老の王の長い長い統治譚。
*** *** ***
本作はカクヨム様にも投稿しております。
城の臣下は誰もが、王の目覚めを三百年待っていた。「確認します」は深謀遠慮に聞こえ、「分からないので教えてください」は臣下の声を重んじる名君の証と受け取られる。魔法も剣も使えず、できるのは議事録と報連相だけ。それでも城の機構に問えば返ってくるのは「当該情報へのアクセス権限がありません」の一言で、なぜ自分が選ばれたのかさえ分からない。
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