野水仙の咲く丘には

 かつて不幸な大戦が人々をさらっていったように、津波が多くの人をさらっていった。
 その大戦が人々を帰さなかったように、放射能が帰りたい魂を帰さない。
 古代から人はこの海に育まれて暮らしてきた。
 大昔から、人は海を恐れ、崇めてきた。
 その子孫が海をもう元に戻せないほどに汚した。
 自分たちの魂を引き裂いた。
 せめて霊となって、戻っておいで。
 引き裂かれた親子の霊は再び巡り合えるのだろうか。
24hポイント 0pt
小説 60,466 位 / 60,466件 現代文学 2,648 位 / 2,648件