相模にくだりて

 平安時代の女流歌人、「相模」を知っているだろうか。
 百人一首にも選歌されるほどの、一流歌人であるが、その一生は謎だらけである。
 その彼女が相模国に下向した折に詠作し、走湯権現に奉納したとされる百首歌群がいかになったか。
 「相模」に返歌を贈った、「権現」は何者であったか。
 研究者たちの推論はさまざまである。
 夫であった相模守「大江公資」であった。いや、恋仲の、藤原定頼ではなかったか、などなど。
 筆者はここに、新しい人物を比定し、物語を編んだ。
 そうすることで、相模国での、歌人「相模」の生活ぶりを、少しでも浮かび上がらせたかった。
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