ふたつの「シュウカツ」
「本当のことは、届く」。広島の小さな定食屋を舞台に、五十八歳のオーナーと就活中の学生スタッフたちが、それぞれの「これからどうするか」と向き合う群像小説。膵臓の腫瘍を告げられた龍太郎は、八年間育てた店の行く末を静かに考え始める。バイトの蒼は志望動機が言えず、礼は働く意味がわからず、花は自分の選択を親に話せずにいる。龍太郎は答えを渡さない。ただ、最後まで聞く。聞き終えてから、一言だけ返す。その言葉が、少しずつ誰かの中で何かを動かしていく。就活と終活、ふたつの「シュウカツ」が交差する、食と人の物語。
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