七つの邪道
文字は邪道。紙は邪道。印刷は邪道。
鉛筆は邪道。ワープロは邪道。ネットは邪道。
新しい創作道具が生まれるたび、物語を残してきた天才一族は言った。
「そんなものは邪道だ」
洞窟の壁へ獣を描いた始祖。
数千枚の木簡へ大作を刻んだ宮廷作家。
一冊を芸術へ変えた写本師。
書き損じさえ物語にした文豪。
原稿用紙へ魂を込めた人気作家。
世界中の資料へ手を伸ばした歴史小説家。
彼らは、ただ時代に取り残された愚か者ではない。
誰よりも優れ、誰よりも物語を愛していた。
それでも時代は、新しい道具を連れてくる。
そして令和。
一族史上最高の才能を持つ綴野綴の前に、七つ目の邪道、生成AIが現れる。
七つの時代を旅しながら、創作とは何かを少しだけ笑って考える、一族の連作短編。
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