蒼い月、真紅の影

 夜、目を開けると知らない空が広がっていた。
 紺碧に輝く二つの月が、深い森を蒼白に照らし出している。

「……夢?」

 街の帰り道、踏切を渡ったはずだった。だが足元には線路もなく、湿った土と草の匂いだけが漂っている。

 途方に暮れながら森を歩いていると、木々の間から淡い光が揺れた。近づくとそこには、銀色の髪を持つ少女がいた。彼女の手からは淡い魔法の光が溢れ、傷ついた小鳥を包み込んでいる。

「誰……?」
 思わず声をかけると、少女は振り向いた。

 その瞳は夜空の星をそのまま映したような輝きを帯びていた。
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