灰色世界と空っぽの僕ら
この世界には光がなかった。比喩的な表現ではない。
かつて世界中を照らしたという“太陽”がなかった。
かつて夜を彩ったという“月”が、“星”がなかった。
この世界には命がなかった。
動物が、虫が、自然が生きることは許されなくなった。
かつて世界中を支配したという人間はその姿を維持できなくなった。
※※※※※
あらゆる生命が息絶え闇に覆い尽くされた世界……通称“灰色世界”では、人間を模して造られた存在である“ホロウ”が生活を送っていた。
そんなホロウの1体である青年シヅキはある日、昔馴染みのソヨから新たなホロウの迎えを頼まれる。群衆でごった返した船着場でシヅキが出会ったのは、白銀の髪が印象的な女性、トウカだった。
何気ないはずだった彼女との出会いは、惰性で日々を送っていたシヅキの未来を大きく動かす。彼だけではない。灰色に染まりきった世界すら巻き込んでーー
かつて世界中を照らしたという“太陽”がなかった。
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この世界には命がなかった。
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