黒剣の退屈
ノイトラマは、ヴェドラ大森林で最も強い人間だった。
幼い頃から、彼は父と二人で、あの地獄のような森の中で暮らしてきた。
そこは世界でもっともマナの濃度が高く、凶悪な魔物が至る所に潜んでいる場所だった。
父が死んでから、ノイトラマは剣術の極意にまで辿り着いた。
しかし、その強さゆえに、すべてが虚しくなってしまった。
毎日は退屈に満ちていた。胸の奥に空いた黒い穴が、感情もやる気も、少しずつ飲み込んでいくようだった。
もう、生きることさえ面白くない。
ある日、偶然黒竜の攻撃を直撃で受けてしまった。
その衝撃で、彼はついに森の外へと吹き飛ばされた。
森の外で最初に出会ったのは、Cランクのハンターだった。
その瞬間、ノイトラマは決心する。
「よし……弱いハンターのふりをして、ハンターになろう。」
ただ一つの目的は、このくたびれるほどの退屈を、どうしても晴らしたかったからだった。
「初めてのゴブリン討伐クエストだったんだが、肝心のゴブリンが一匹も見つからなくてな。
代わりに俺を襲ってきた女盗賊を捕らえ、ギルドへと連れて行ったんだ。
考えてみれば、ゴブリンも盗賊も大差はない。どちらもただの泥棒だろう?
だが、なぜか周りの連中は俺が貴族の令嬢を誘拐したなんて騒ぎ立てやがってな。
結局、そのまま牢屋に放り込まれるハメになったってわけだ。
……それが、俺の経験した話の一つだ。」
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