死にたがり魔王ですが、早く討たれたいのに勇者が同居を始めました 〜吐血を隠していたら、全部知られていて看病されています〜
最終決戦の日。
魔王ゼロスは、朝から血を吐いていた。
前世は過労死した保険代理店の店長。転生した先は、魔王の呪縛で歴代全員が数年で消耗死する、呪われた玉座だった。
さらに、守りたいと思った相手の傷を全部肩代わりする呪い付き。
痛い。つらい。もう限界だ。
目標はただ一つ。勇者に討たれて、このブラックな職場から退職することである。
……だが、現れた勇者アリアは、剣を抜かなかった。
「戦いません。ご無事でしたか、魔王様」
焦った魔王は、無人の山を消し飛ばして挑発する。反動で、盛大に吐血。
隠し通すはずの血を見た彼女の瞳から、光が消えた。
「魔王様。お体、冷えていませんか?」
そして剣を捨て、彼を抱きしめて告げる。
「全部、知っています。最初から」
隠していた自己犠牲も、吐血も、討たれたい本音も、すべてバレていた。
かくして魔王は、監禁ではなく看病という名の同居を始められる。
六時間睡眠令。枕元で呼吸を数える勇者。
しかも部下は『魔王様の深謀遠慮だ!』と大絶賛。もう誰も止まらない。
果たして魔王は討たれるのか。
死にたがりの魔王と、死なせない勇者。
これは、終わらせたい魔王と、終わらせない勇者の、重すぎる愛の物語。
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