ディラン・ヴァイパー
「そういえば」
ディランをドラゴンの食事として提供したウィリアム一行が屋敷に到着してすぐ、レイズンが口を開いた。
「あのおっさん、名前はなんて言うんだ?」
「確か、ディランだったと思います」
下っ端の答えを聞き、レイズンは口の端を釣り上げる。
「ヒヒッ。ディランか、名前負けもいいとこだな」
「それは……どういう意味で?」
「お前、知らないのか? ディランって聞いて思い浮かぶのは、【毒蛇】のディランだろ」
「なんの話だ?」
ホープが会話に加わると、レイズンは声のトーンを一つあげて続ける。
「魔王を倒した勇者パーティに暗殺者がいたらしく、そいつの名前が、ヒヒッ、ディランって言うらしいんですよ」
「勇者パーティに暗殺者か。なんていうか、あんまり合わないな」
「肩書きは大層でもやってることは殺しだからな。それも、失敗できない殺し。存外、汚い手も使うんだろうよ」
耳ざといウィリアムの言葉に一同は声を出して笑う。
「まぁ、よっぽどの臆病者なのは確かだろう。勇者は魔王と相打ちになって世界を救ったというのに、その毒蛇とやらは何を成し遂げたんだか」
「それなら、父さんの方がよっぽど偉大だね」
「まったくだ。毒蛇もあの男も、ディランという名には責任が足らんようだな。今ではもう、全てドラゴンの胃の中だが」
ウィリアムを取り巻く笑い声が大きくなった。
彼らにドラゴン落命の報が届けられたのは、それから1時間後のことだ。
※なろう、カクヨムでも掲載
ディランをドラゴンの食事として提供したウィリアム一行が屋敷に到着してすぐ、レイズンが口を開いた。
「あのおっさん、名前はなんて言うんだ?」
「確か、ディランだったと思います」
下っ端の答えを聞き、レイズンは口の端を釣り上げる。
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「お前、知らないのか? ディランって聞いて思い浮かぶのは、【毒蛇】のディランだろ」
「なんの話だ?」
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「それなら、父さんの方がよっぽど偉大だね」
「まったくだ。毒蛇もあの男も、ディランという名には責任が足らんようだな。今ではもう、全てドラゴンの胃の中だが」
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彼らにドラゴン落命の報が届けられたのは、それから1時間後のことだ。
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