僕は焼き立てパンの味を知らない
一種類しか焼けないパンを今日も兵士が買っていく……そして僕はパンを焼く
辺境の町で、戦地に行ったまま帰らなかった父の教えてくれた、たった一種類のパンを焼き続ける少年ウィル。
ある日、ウィルが生まれる前から続いていた戦争が終わった。
騒然とする町にやってきたのは、真っ白な軍服に金飾りを付けた兵士だった。
毎日やって来るその兵士は、残ったパンをすべて買い占めていく。
残り物のパンしか食べないウィルは……。
負けた国の少年と勝った国の兵士が紡ぐ、静かで温かい日常と絆を描いた短編ファンタジー
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