星屑の蛹、銀砂の葬列と琥珀の揺り籠
空を裂いたナイフの傷口から、死者の記憶が「星の欠片」となって零れ落ちる世界。
そこは、かつて人間が文明と引き換えに置き去りにした、終わらない黄昏の墓場である。
腰まで届く紫檀色の髪を持つ褐色肌の青年・シドは、永遠の旅人だ。
彼は、死者の魂を繭に編み上げる異形の蟲たちと共に、地底の森を彷徨い歩く。
その目的はただ一つ。宇宙の裂け目で道を見失った、最愛の弟・テネの魂を探し出すこと。
黄金の瞳を持つ弟の影を追い、銀色の砂に埋もれた廃墟を歩くシドの背後には、己の名前を忘れた鏡面の旅人たちが葬列を作って追随する。
崩落する夜空の下、重力という名の呪縛を解き放ち、二人の兄弟が交わす最後の手は、はたして絶望か、それとも永遠の再会という名の救済か。
アール・ヌーヴォー的な死の装飾に彩られた、耽美で退廃的なSFファンタジー。
さあ、観客のいない劇場で幕が開く。
これは、死ぬために空へ帰る、僕と弟の、もっとも遅れてきた旅の記録である。
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