あなたにおすすめの小説

終わりにします 表紙

終わりにします

「終わりにします」 その言葉とともに、侯爵令嬢シルヴィアは毒を飲んだ。 婚約者は妹を選び、父は妹だけを信じた。 誰にも必要とされなかった人生を終えたはずなのに、目を覚ますと三か月前へと時間は巻き戻っていた。 もう、誰かに愛されるためだけに生きるのはやめよう。 そう決めた彼女は、静かに運命を書き換えていく。 これは、一度死んだ少女が、自分自身の人生を取り戻すための物語。
恋愛 完結 ショートショート
文字数:14,386
処刑された悪女だけが、国を救っていた――姉を処刑して七日後、王都のパンは青く腐った 表紙

処刑された悪女だけが、国を救っていた――姉を処刑して七日後、王都のパンは青く腐った

姉を処刑して七日目、王都のパンが青く腐った。  新王レオニスは、〈灰冠の悪女〉と呼ばれた姉アウレリアの警告を退け、彼女が封鎖していた西大倉を解放した。民へ白いパンを返し、姉の圧政を終わらせる。それが正しい王の最初の仕事だと信じていた。  しかし、配られたパンの内側には青い筋が走り、口にした者たちが次々と倒れていく。  処刑台で姉が残した言葉を思い出したレオニスは、王城の鐘を三度鳴らす。すると現れたのは、姉の秘密警察だと恐れられていた〈灰衣隊〉だった。  封鎖された穀物、焼かれた畑、外国への送金、王都から遠ざけられた軍隊。姉の悪政とされたすべては、王国を青灰病から守るための非常措置だった。  自分が信じたい言葉だけを選び、姉へ毒杯を渡したことを知るレオニス。彼は姉が残した七つの報告書を読み、公爵の逃亡を自らの判断で阻止する。  その南門へ、安全な穀物を積んだ長い輸送隊が到着した。先頭の馬車から降りた人物を見て、レオニスは言葉を失う。  悪女として処刑された有能な王女と、民の拍手を選んでしまった弟王の、逆転と後悔、そして再生の物語。
ファンタジー 完結 短編
文字数:10,985
我慢なんてしていませんわ。だって、面倒でしょう? 表紙

我慢なんてしていませんわ。だって、面倒でしょう?

「クロエに子供ができた。準備が整い次第、離れで暮らすことになるからそのつもりでいてくれ」 普段ほとんど屋敷にいない夫が前触れもなく告げてきた言葉をきっかけに、レティシアは“三年間”の契約を終わらせることにした。 赤の他人を屋敷に迎えることはしない。 不要なものに感情を砕く理由などない。 「だって、面倒でしょう?」 不誠実な夫も、無意味な結婚も、 この際すべて切り捨ててしまいましょう。
恋愛 完結 短編
文字数:4,095
真実の愛はお腹を満たしてくれますの? 表紙

真実の愛はお腹を満たしてくれますの?

「リディア、聞いてくれ。俺は真実の愛を知ってしまったんだ」  定例のお茶会の席で、婚約者様に告げられた言葉。  理解を拒んだのか、純粋にその言葉の意味がわからなかったのか……彼に応えられる回答を、私は持ち合わせていなかった。 「真実の愛は、お腹を満たしてくれますの?」  決して未練などではない。ただ、疑問だっただけだ。  その問いにセドリック様は、いつもの人を見下したような笑みを見せて。 「愛は金にも勝る。心が満たされていれば、腹だって満ちるさ」 ――真実の愛と侯爵家の財はどこまで持つかしら。
ファンタジー 完結 短編
文字数:9,553
誇りさえ踏みにじるというのなら 表紙

誇りさえ踏みにじるというのなら

 ――私の誇りさえ踏みにじるというのなら、受けて立ちましょう  地味で控えめな侯爵令嬢イザラ。彼女は、婚約者である公爵嫡男エリオットを華やかな伯爵令嬢ベアトリスに奪われ、「真実の愛」を見つけたという身勝手な理由で一方的に婚約破棄を突きつけられる。  ベアトリスからは地味で退屈な女と公然と蔑まれ、尊厳を踏みにじられたイザラ。  だが、彼女は涙を見せず、侯爵家の誇りを守るため不当な破棄を断固として拒否。たった一人で反撃の証拠集めを開始する。  彼女が助力を求めたのは、社交界から距離を置き、冷徹と噂される辺境伯アレクシス。彼は、イザラの持つ鋼のような意志と冷静な知性を見抜き、彼女の非公式な協力者となる。  しかし、そんな彼女を待っていたのは「辺境伯と不貞を働いている」という、さらに悪質な濡れ衣だった――
恋愛 完結 短編
文字数:19,569
侍女は、その手紙を誰が書いたか知っている 表紙

侍女は、その手紙を誰が書いたか知っている

婚約披露の夜会で、ギルバート様はフィオナお嬢様の書いたという手紙を読み上げた。ローウェル侯爵家を見下す言葉が並んだ、心ない一通。 けれど給仕として壁際に控えていた侍女のメイは知っている。 その手紙は、まだ世に出回っていないはずの紙に書かれていた。 誰も見ていない場所にこそ、真実は残っている。
恋愛 完結 ショートショート
文字数:2,492
忘れ去られた勇者の聖女(娘) 表紙

忘れ去られた勇者の聖女(娘)

帰りを焦がれるほど待ち侘びていた父は、父の姿形をした、全く別の存在になっていた。 9才だった私はその日優しく思慮深かった父と、父の帰りを誰よりも待ち焦がれていた正常な母、 誰よりも何よりも愛していた、その二つの存在を失った。
恋愛 完結 短編
文字数:3,849
悪役令嬢は、断罪の日を待っていたー 正義を信じた王子から、物語を奪った悪役令嬢 表紙

悪役令嬢は、断罪の日を待っていたー 正義を信じた王子から、物語を奪った悪役令嬢

明日の正午、元王太子ルシアンは王都の広場で処刑される。罪状は、聖女候補アイリスに心を奪われ、十年来の婚約者セレスティアへ無実の罪を着せ、卒業記念舞踏会で婚約破棄を言い渡したこと。だがルシアンだけは知っている。セレスティアは無実ではなく、アイリスを傷つけたのも、彼が見つけた証拠も、舞踏会での逆転さえも、すべて彼女が仕組んだものだった。正義を信じる王子の性格を十年かけて読み切った悪役令嬢は、彼に自ら剣を抜かせ、王太子の座も民衆が信じる物語も奪っていく。処刑前夜、セレスティアが明かす真の目的とは。これは、断罪されるはずの悪役令嬢が、断罪の舞台を自らの戴冠式へ変えた物語。
恋愛 完結 短編
文字数:15,957