ガラスのくつ ~アイドル残酷物語~
一年後、復帰を目指し莉莉亞は懸命に奔走するが世間の目は冷たく再起はかなわない。友達だったメンバーに見捨てられ、ファンも次第に離れ、歌手として致命的な疾病も発覚し…
絶望に打ちのめされながら、たった一人残ったファンに支えられ、莉莉亞は最後にラ・クロワのオーディションに挑む。
「もう一度ガラスのくつをはいて歌いたい」そう願った少女が最後に見たものは……
面白かったです。この作品。
私は、この『ガラスのくつ ~ アイドル残酷物語 ~』という小説には、男たちの無意識下に、令和の今なお(令和だからこそ?)いまだ脈々と受け継がれる、強い「ミソジニー(女性嫌悪・女性蔑視)」の奔流があり、それが如何に女性たちを「残酷な」運命へと追いやり続けているか、その徹底した無慈悲さを描いている、のだと見て取りました。
この作品が「ミソジニー」をメインテーマに据えて描かれたもの、だとは考えておりません。
しかし、それでもなお。この小説の全体に、とりわけ登場する「男」たち、その全ての無意識下に「ミソジニー」が通底している。それこそが、この小説の残酷さを形作っているのだと思えてならないのです。
我々、現実の男たちは、この小説を読んで(消費して)、ただ姫咲莉莉亞のその残酷な運命に心を痛めていればそれで良い、訳ではありません。ええ、けして。
--- 彼女を、姫咲 莉莉亞を、本当の意味で殺したのは誰だったのか? ---
プロローグで、そしてエピローグで。チクサが舞台上から狂ったように「バァァァァァカ!」と叫んだその先に、あの観客たちの中に、本当は「俺」も居たんじゃないのか? 知らず気付かず「ミソジニー」に己が身を染めながら。あの場で、周りの猛り狂う男たちと共に、チクサヘ、そして莉莉亞の魂へと向かって、口汚く罵声を投げ付けていたのではなかったか?
……そう。まんま、チクサの言った通りです。姫咲 莉莉亞を殺したのは、私の、いや「俺たち」の、「ミソジニー」だったのです。
では、その「俺たち」の「ミソジニー」とは、どのようなものなのか? また、なぜそのことに気付かず、無関心でいられたのか? そのことを小説中に登場する4人の象徴的な男性たち、その描かれ方へ焦点をあてながら説明していきたいと思います。
……と、ここまでで感想欄の文字数制限いっぱいになりました。万が一、この続きをお読みになりたい、という奇特な方がおられた場合のため、アルファポリスさんの片隅の片隅で、ひっそりと「エッセイ」として公開しておきます。
※作者様のご許可を頂いております。
ご興味のある方は「第八のコジカ」の名前のところから辿ってみてください。いやそれよりも、まずはニセ梶原康弘さんの作品を読んで、文芸大賞に投票してください。
この物語はここに来て(改稿して)ほぼ完全バージョンになったと思います。
プロローグとエピローグがきっちり繋がって読み手として凄く納得が行くラストになった…とか偉そうに書いてますけど。
はっきり言って見事としか言いようがないです!
この物語はリリアちゃんの物語であり、チクサちゃんの物語でありアツシくんの物語であり…けれど確かに主軸はリリアちゃんの物語です。
たった一つの過ちを許されず、不幸が重なり落ちて行った歌姫…その凋落と最後。それでもリリアちゃんは自分が歌うべき歌を見つけ、実力でライバルや冷酷なプロデューサーを見返します。リリアちゃんは、最後まで美しく強かった。
個人的には、一筋の希望を残して欲しかったなあ。とも思います。
作者様の…リリアちゃんのチクサちゃのアツシくんの…それぞれの思いが報われるバージョンも読んでみたくも思いましたが、やはりこの物語はメリーバッドエンドが合うと思います。
素晴らしい物語をありがとうございました。
次のコンテストも応援したく思います!
アイドル人生を棒に振るような行いは、過酷な芸能界でストイックに頑張っている人やアイドルを応援しているファンにはなかなか許しがたいかもしれません。
でも彼女がこんなに反省して苦しんでいるのに、それが社会に伝わらない最後が心苦しいです……。ファンや仲間の幻影に置いてゆかれまいとして死んでしまうなんてあまりにも悲しいです
ひとりだけのファンとお医者さんの他に誰も助けてあげようとしなかったのが読んでて辛かった。みんな笑ってザマァしたり知らん振りして酷い。
同じチームの友達なんて見捨てておいて最後に今さら後悔しておかしくなってちゃうし、なにもかも残酷すぎる。
読了。後半になればなるほど楽しむ事が出来た。話は主にアイドルの闇の部分がメインになっており、しょっぱなからドロドロしている。昼ドラ並みに嫌な部分が全開になっているので好みは別れるが地の筆力が高いので読ませてしまうところがある。
前述の通り後半になればなるほど面白かったが、ガラスのくつをはかせてあげてほしかった。マッチ売りの少女的な救いのなさが個人的には勿体ないというか、私の好みとしてはたとえベタになったとしてもシンデレラ的な報われる場面が欲しかった。これは好みの問題でもあるけど。
物語にこそ救いがあってほしいと思う人は結構いると思うので、病気を克服してキラキラと輝くヒロインの姿も見てみたい。というか、そういうバージョンがあってもいいのではないかと思った。なんだかんだここまで語らせるのだから作品として面白いのは確か。
かちょすさんから聞いて読みに来たけど途中で泣きそうになった。読むのが辛いけど続きが気になって最後まで読んだよ。ああ、そうなっちゃったのか、、、、せめて最後に歌った歌をみんなに聞いてもらえたらよかったのにな、、、、どうにもやり切れない気持ちで仕方がない
某推し活コミュニティサイトで「感動するけど読むのが凄く辛いアイドル小説」と紹介されていたので興味があり、読みに来ました。
話はとても読みやすかったのであれ?って思ったけど、「読みずらい」というのは「読んでいて苦しくなる」ということだったと、読んでる途中から気がつきました。
自分は今までラノベなんて主人公が苦労せずにモテていい思いする都合のいい話ばかりだと思っていて、ほとんど読んだことなかったけど、こんなやり切れない悲しい話もあるんですね。
「ガラスのくつ」というタイトルは、凄く意味深。読み終わった後もずっとこのタイトルが心に残りました。
推し活をしていると仲間から「裏切られたから推し変した」とかよく聞くけど、推しを養分扱いするアイドルがいるようにドルオタに捨てられた推しだっている。気にしたことなんてなかったけど、こんな末路を辿った推しがもしかしたらどこかにいたのかも知れない。
だから、せめて利利亜が天国でガラスのくつをはいて歌えましたように、と願わずにいられなかった。
実はアルファポリスで小説を読むのは初めてで他の小説もちょっと読んでみた。
でも、凄い能力に目覚めたとか、不幸と思ったら幸せになれたとか小説家になろうと同じ都合のいいストーリーばかりだった。それも似たような話ばっかりだし。つまらなかった。
それだけに、残酷で悲しい話だけどこんな美しい話を読めてよかった。ありがとう。感動しました。