刺繍しか取り柄のないお針子令嬢なので、婚約者に嫌われていると思ったのですが。――おや? 婚約者の様子がおかしいぞ? ですわ
貴族は男女問わずすべての人物が魔力を有している。魔力は代々同じ大きさで伝わっており、その魔力に応じて爵位が決まる。
そんな国で。
公爵令嬢のリューリアは、全くの魔力ナシで、刺繍しかできない、刺繍令嬢と揶揄される立場にあった。
十八歳になる彼女の婚約者は、子爵令息のラウル。ラウルは子爵家の次男で、高い魔力を誇るのに、爵位を継げない立場にあった。
――魔力ナシの娘の補佐をさせるために、公爵が娘の伴侶にラウルを選んだ。
そんな噂もあった二人。
容姿も際立って素晴らしいラウルの周りには、いつもご令嬢が集まる。ラウルは婚約者らしく、リューリアに優しくしてくれるけど。
ある日、リューリアは渡した刺繍入りのハンカチを彼が使ってくれないことに気づく。そして、彼の級友たちが、「公爵家の婿」の立場欲しさの婚約だと話していることも。ラウルがそれを否定しなかったことも。
自分を好きだと思っていたのに。彼は、わたしじゃなくて、わたしの背後にある公爵家を見ていただけなの?
傷ついたリューリア。
ラウルになんて会いたくない。偽物の愛情なんて欲しくない。
そう思っていたのだけれど。
おや? どうやら婚約者殿の様子がおかしいですぞ?
そんな国で。
公爵令嬢のリューリアは、全くの魔力ナシで、刺繍しかできない、刺繍令嬢と揶揄される立場にあった。
十八歳になる彼女の婚約者は、子爵令息のラウル。ラウルは子爵家の次男で、高い魔力を誇るのに、爵位を継げない立場にあった。
――魔力ナシの娘の補佐をさせるために、公爵が娘の伴侶にラウルを選んだ。
そんな噂もあった二人。
容姿も際立って素晴らしいラウルの周りには、いつもご令嬢が集まる。ラウルは婚約者らしく、リューリアに優しくしてくれるけど。
ある日、リューリアは渡した刺繍入りのハンカチを彼が使ってくれないことに気づく。そして、彼の級友たちが、「公爵家の婿」の立場欲しさの婚約だと話していることも。ラウルがそれを否定しなかったことも。
自分を好きだと思っていたのに。彼は、わたしじゃなくて、わたしの背後にある公爵家を見ていただけなの?
傷ついたリューリア。
ラウルになんて会いたくない。偽物の愛情なんて欲しくない。
そう思っていたのだけれど。
おや? どうやら婚約者殿の様子がおかしいですぞ?
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