敵になったなら、君を殺す。――ただし、死なせはしない
若きジョン・チャーチルが休暇のため訪れた、山間の古い館。
そこには十三歳年下の少年、オイゲン・フォン・サヴォイエンがいた。
互いを「生意気な若造」「経験だけの老兵」と嫌い合う二人。
けれど、戦術を語り始めれば、不思議なほど考え方が重なっていく。
やがて師に従って赴いた包囲戦で、二人は初めて戦場の恐ろしさと、死の現実を知る。
反発から理解へ。
理解から、誰よりも特別な友情へ。
だが、休暇には終わりがある。
二人には、それぞれ帰るべき祖国が待っていた。
もし、いつか戦場で敵として再会したなら――。
全力で戦う。
それでも、君だけは死なせない。
若き二人の軍略家が過ごした、ひと夏の記憶。
【史実の二人】
ジョン・チャーチル(初代マールバラ公)とオイゲン・フォン・サヴォイエンは、18世紀初頭のヨーロッパを代表する軍事指導者として知られる。マールバラは連合軍を率い、ブレンハイム、ラミイ、アウデナールデ、マルプラケなどで勝利を重ねた。一方のオイゲンもハプスブルク側の主要な司令官として活躍し、二人はスペイン継承戦争でブレンハイムやアウデナールデ、マルプラケなどをともに戦った。
本作は、その史実に残る二人の軍事的な協力関係を下敷きに、若き日の二人に「もしも、もっと早く出会い、ひと夏を共に過ごしていたら」という架空の物語を重ねたBL短篇である。
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反発から理解へ。
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