死刑囚診断書
救急外来の当直医・鷹宮恒一は、何でもそつなくこなす有能な医師だ。
だが「できてしまう」人生に、彼は静かに飽きていた。
深夜、警察から一本の電話が入る。
拘置所から移送中に負傷した――死刑囚の診察依頼。
搬入されてきた男・三枝幸一は、凶悪犯とは思えないほど地味で、落ち着いていた。
しかも、医学知識に妙に詳しい。
診察を進めるほど、違和感は確信へと変わっていく。
この男は、本当に人を殺したのか。
そして、自分はなぜ、彼を「患者」として以上に見てしまうのか。
命を救う医師と、死を待つ死刑囚。
交わるはずのなかった二人の夜が、やがて真実を暴き出す。
それは診断か、それとも裁きか。
知的ミステリー『死刑囚診断書』。
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