透明令嬢、自由を謳歌する。
ラウラは仕事の書類に紛れていた婚約破棄の書面を見て、心底驚いてしまった。
だって、もうすぐ成人するこの時期に、ラウラとレオナルトとの婚約破棄の書面がこんな風にしれっと用意されているだなんて思わないではないか。
いくらラウラが、屋敷で透明人間扱いされているとしても、せめて流行の小説のように『お前とは婚約破棄だ!』ぐらは言って欲しかった。
しかし現実は残酷なもので、ラウラは彼らに抵抗するすべも仕返しするすべも持っていない、ただ落ち込んで涙をこぼすのが関の山だ。
けれども、イマジナリーフレンドのニコラは違うと言い切った。
彼女は実態が無くラウラの幻覚のはずなのに、力を与えてやると口にしてきらめく羽を羽ばたかせ、金の鱗粉を散らしながら屋敷の奥へとツイッと飛んでいったのだった。
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