紫ろまんす~カタブツ文学乙女と古典な恋~
美しいものを見たいと願った十九歳の春も過ぎ、二十二歳で就職しないで進学した。
昨今人文学系にはしょっぱい世の中。理系の建物は新しく、文系予算は今いずこ。入ったからと言って就職に有利になるわけでもなく。理系院生と比べれば奥地の山岳民族がごとき希少性。モラトリアムじゃないと信じたい。
神坂紫(かみさかゆかり)、二十二歳。専攻は日本文学。現実とはかくにむなしき。ビッチな妹は家に帰ってこないし、やたら出会う「鳥足くん」に後輩のスイーツ男子、思わせぶりな元同級生(女)とは何かと縁ができている。
枯れかけた今になって微妙に日常が変わりつつある文学女子の明日はどこだ。
――昨今の文学女子はたくましいのです。
昨今人文学系にはしょっぱい世の中。理系の建物は新しく、文系予算は今いずこ。入ったからと言って就職に有利になるわけでもなく。理系院生と比べれば奥地の山岳民族がごとき希少性。モラトリアムじゃないと信じたい。
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