救えば救うほど、世界は滅ぶ。それでも、俺の剣だけが滅びを断てる
救うことと、滅ぼすこと。それは、同じ掌の上にあった。
世界は、静かに崩れ始めていた。
あらゆるものを「無」へと還す滅び——“沈み”。それだけが、ただ広がり続けていた。
辺境の小島で島守の家に生まれたヴェインは、その滅びから故郷を守る、ただの少年だった。だがある日、沈みは島へと牙を剝く。育ての親である老人は、命と引き換えに滅びを断つ力をヴェインへ託し、「生きろ」と遺して消えた。
故郷を失い、ヴェインは旅に出る。この滅びを止めるために。一人でも多くを、救うために。
——だが、おかしい。
救えば救うほど、世界はなぜか、終わりへと近づいていく。
救うことと、滅ぼすこと。それは、同じ掌の上にあった。
これは、咎を継いだ少年が、“正しさ”の果てを問う物語。
世界は、静かに崩れ始めていた。
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