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第三章
17サステナル家の崩壊
しおりを挟むエンゼル王国で居場所を見つけ、新たな一歩を踏み出したセリアはとは反対に、くだらない意地と見栄と虚栄心により多くの物を失ったサステナル家は窮地に立たされていた。
「ちょっと!アンタの所の果物腐っていたよ」
「ミルクもだ!こんな不良品を売るなんてどういう事だい!」
サステナル家は果物以外にも市場で野菜や新鮮なミルクを売り出していた。
しかしその製品を管理しているのはセリアとリタだった。
管理の仕方をちゃんと理解していなかったキュロスと父メジャーは間違った保管を行い、ミルクは腐ってしまった。
ミルクだけではなく果物の保管も悪く、共同開発をしている友人に咎められる。
「本当にアンタ達は何もできなんだね」
「妻がいないと仕事も満足にできないなんて…外で妻の悪口を触れ回るぐらいなら他にやることがあるんじゃないかい?」
「くっ・・・」
言い返そうにも、言い返せなかった。
「ミリアの事もそうだよ。噂を吹聴して」
「あの子を悪く言う連中は確かにいるよ。だけど、アンタは妻の姉を悪く言って一緒になるなんてね」
「リタも相当我慢していたんだろうね」
二人の妻に離縁を突きつけられた二人はこの狭い村で白い目で見られていた。
少し前まではミリアを悪者にして言いたい放題を言っていたが、アレーシャ達の策略により逆転した。
特に女性達を敵に回した二人は村でも厄介者扱いを受けて助けてくれる者はいなかった。
「これを最後にするよ」
「今後一切アンタ達とは付き合わないから」
「は?待ってくれ!」
「そうだ。アンタ達に関係を絶たれたら!」
共同経営の牧場を行っているので関係を切られたら生活も難しくなる。
「私達はアンタみたいな女を馬鹿にしている奴は大嫌いなんだよ」
「もうこの村から出ていってくれよ。リタの旦那だから私達はこれまで助けてやったが」
「何だと!俺はリタなんてつまらない女の!」
遠回しにリタの夫で仲良くする事も協力することおなかったと言われたようで逆切れをした。
「俺が食べさせてやっていたんだ!」
「そうだ!セリアは妻の分際で!俺の言いなりになってればいいものを!」
メジャーに続きキュロスもセリアを馬鹿にする。
「女は男に黙って従うべきだ!」
「そうだ。今まで誰のおかげで生きてこれた!誰のおかげで不自由ない生活ができたと思っている!女は男に!」
キュロスの暴言はエスカレートする中、一人の女性が睨みつけた。
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