物語の余白を歩く私 ~更新停止した異世界を修復していたら、勇者も悪役令嬢も原作通りに動いてくれません~
更新停止したWeb小説の世界は――作者が続きを書かなくなっても、終わってはいなかった。
中学三年生の一ノ瀬莉羽は、更新の止まった小説に突然現れた《この先の記録はありません》というページをきっかけに、物語と物語の狭間《余白界》へ迷い込む。
そこで出会った《余白守〈マルギナ〉》の少女ヴェリナから知らされたのは、Web小説として読まれている異世界が本当に存在しているという事実。
作者が更新を止めても、世界では時間が流れる。
書かれていない町にも人が住み、名前のない誰かにも人生があり、物語が完結した後にも明日は続いていく。
けれど、更新停止、改稿、削除、設定衝突などによって、時に世界の《物語》だけが歪み始める。
勇者が次へ進めない。
悪役令嬢が何度逃げても断罪へ戻される。
聖女が「死にたくない」と願っても、世界が犠牲を要求する。
そんな異世界を修復するため、莉羽はヴェリナと共に《物語の余白》を巡ることになる。
王道冒険から、追放、ダンジョン、悪役令嬢、聖女、領地経営まで――訪れる世界も、そこで起きる異常もさまざま。
けれど莉羽の役目は、《原作通り》に戻すことではない。
書かれていない可能性へ触れる《余白権能〈マルギナリア〉》で、新しい選択肢を作るだけ。
その先を選ぶのは、その世界で今を生きている本人たちだ。
やがて莉羽は、原作へ戻そうとする者、救えない世界を切り捨てる者、物語そのものを白紙へ戻そうとする者、そして自分の役割から逃げようとする者たちと対立していく。
これは、未完の物語に正しい結末を与える物語ではない。
誰かが、自分自身で《次の一頁》を選べるようにする物語。
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けれど、更新停止、改稿、削除、設定衝突などによって、時に世界の《物語》だけが歪み始める。
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