令和スネークマンショー/weno where you goin!?
あなたは今、どこへ向かっているのか。
いや、そんな大げさな話ではない。ただ、美術館が駅から遠いという話をしていたら、なぜか伊藤忠商事の人事部がパニックになり、ハローワークの担当者が暗号を交わし、病院の医者がステロイド剤を処方しながら「にやけた顔がキモい」と言い放つ。それが本書である。
スネークマンショーをご存知だろうか。1980年代、桑原茂一・小林克也・糸井重里らが生み出した伝説のコントユニット。彼らはYMOのアルバムに潜り込み、日常の隙間に不条理を滑り込ませ、日本語とも英語ともつかない奇妙なグルーヴを作り上げた。笑えるのか笑えないのかわからないまま、気づけばこちらが壊れている。そういうコントだった。
あれから四十年以上が経った。
令和の日本では、派遣コーディネーターが「一番きもい職業」と罵倒され、Notion Certified Administratorが履歴書のスキル欄に書かれ、ChatGPTとの壁打ちが趣味として分類される。ハローワークでは時給1050円の倉庫作業が提示され、就活生のYouTubeチャンネルの概要欄には謎の限定公開動画が潜んでいる。画面に映るのは13から0へとカウントダウンする数字。そして最後に一行。
heading 090。
これは平沢進が言っていたことに近い、かもしれない。美術館で会った人のことを、我々はまだ覚えているだろうか。あの問いかけは今も有効で、むしろインターネットとSNSと生成AIが複雑に絡み合った令和においてこそ、より深く刺さる。どこへ向かっているのかわからないまま、それでも人は歩き続ける。駅から徒歩で遠い美術館へ向かうように。
本書に収録された各エピソードは、医療・就活・行政窓口という日常的な場所を舞台に、ネットミームと昭和テクノポップと現代の閉塞感が衝突し続けるコント集である。笑えるところは笑っていただいて構わない。ただ、笑い終わったあとに何かが残るとしたら、それはおそらく「合言葉は?」という問いに答えられない自分自身への、漠然とした不安である。
北緯37度。heading 090。パレスチナ。
All my life has ever been a freelaNcer. i need some ALcohol and drunkEr’s AdviSes who makeS me BE hilarioU.S.
weno、どこへ行くの。
著者:Weno Nicca / Connecting Dots Publishing
いや、そんな大げさな話ではない。ただ、美術館が駅から遠いという話をしていたら、なぜか伊藤忠商事の人事部がパニックになり、ハローワークの担当者が暗号を交わし、病院の医者がステロイド剤を処方しながら「にやけた顔がキモい」と言い放つ。それが本書である。
スネークマンショーをご存知だろうか。1980年代、桑原茂一・小林克也・糸井重里らが生み出した伝説のコントユニット。彼らはYMOのアルバムに潜り込み、日常の隙間に不条理を滑り込ませ、日本語とも英語ともつかない奇妙なグルーヴを作り上げた。笑えるのか笑えないのかわからないまま、気づけばこちらが壊れている。そういうコントだった。
あれから四十年以上が経った。
令和の日本では、派遣コーディネーターが「一番きもい職業」と罵倒され、Notion Certified Administratorが履歴書のスキル欄に書かれ、ChatGPTとの壁打ちが趣味として分類される。ハローワークでは時給1050円の倉庫作業が提示され、就活生のYouTubeチャンネルの概要欄には謎の限定公開動画が潜んでいる。画面に映るのは13から0へとカウントダウンする数字。そして最後に一行。
heading 090。
これは平沢進が言っていたことに近い、かもしれない。美術館で会った人のことを、我々はまだ覚えているだろうか。あの問いかけは今も有効で、むしろインターネットとSNSと生成AIが複雑に絡み合った令和においてこそ、より深く刺さる。どこへ向かっているのかわからないまま、それでも人は歩き続ける。駅から徒歩で遠い美術館へ向かうように。
本書に収録された各エピソードは、医療・就活・行政窓口という日常的な場所を舞台に、ネットミームと昭和テクノポップと現代の閉塞感が衝突し続けるコント集である。笑えるところは笑っていただいて構わない。ただ、笑い終わったあとに何かが残るとしたら、それはおそらく「合言葉は?」という問いに答えられない自分自身への、漠然とした不安である。
北緯37度。heading 090。パレスチナ。
All my life has ever been a freelaNcer. i need some ALcohol and drunkEr’s AdviSes who makeS me BE hilarioU.S.
weno、どこへ行くの。
著者:Weno Nicca / Connecting Dots Publishing
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